ネカ美術館

バリ島中部ウブド地区にあるネカ美術館です。クタ地区からは約1時間、ウブド中心部からは約10分の場所にあります。著名な絵画コレクターのネカ氏が建てた美術館で、内部は6つのパビリオンに分かれ、テーマごとにインドネシア人画家とバリ島にゆかりのある外国人画家の作品が大量に展示されています。ネカ美術館を一回りすれば、バリ島絵画の歩みがわかるようになっているすばらしい美術館。また第3パビリオンは昔のバリ島のお祭りの様子やダンスを写した写真が飾られており、昔のバリ島の様子を知ることができます。展示数の多い美術館ですので最低1時間、じっくり見て回るなら2時間ほどかかります。

午前中の涼しいうちにウブドの町を散策したり、タンパクシリンの寺院、ゴアガジャなどを観光し、午後の暑くなる時間帯に美術館を見て回るのが上手なまわり方です。ウブド地区は美術館がたくさんあるので、美術館巡りをするのも良いと思います。

ネカ美術館レポート 

ネカ美術館の入り口。有名な絵画コレクターのネカさんが設立した美術館です。ラヤウブド通り沿いのネカギャラリーという絵画ギャラリーもネカさん所有です。

ネカ美術館入り口の木彫り。人の顔が重なり、髪の毛が波のようにも見えるおもしろいデザインです。美術館っぽい。

美術館のチケットカウンター。ウブド地区の中でも充実した美術館だと思います。

第1パビリオン。伝統的なバリ絵画が展示されています。開放的な建物でバリの絵画とマッチしています。

バリ絵画には様々なスタイルがあります。題材にされているものは、宗教的な物語やバリ島の生活、儀式などが多く、絵を通してバリ島を感じることができます。このように細密画のような手法でバリの人々の生活が描かれているものもあります。

第2パビリオンはバリ島在住の有名なオランダ人画家アリー・スミットの絵画を中心に展示されています。

アリー・スミットの絵は色使いが独特で面白い絵です。

アリー・スミットなどバリ島に移り住んだ外国人画家の影響を受け、現在のバリ絵画が出来上がっているそうです。

第2パビリオンは2階建てになっており、上の階は主にアリー・スミットの作品、下の階にはインドネシア人画家の作品も展示されています。かなり細かく書き込まれた作品もありました。

第3パビリオンには昔のバリ島の生活やお祭り、バリ舞踊の様子を撮影した写真が展示されています。

バリ島の昔の様子がうかがい知れる写真ばかりで非常に興味深い展示でした。1930-1940年代の写真になります。

古い写真が横1列にずらっと並べてあり、見やすいです。

第4パビリオンに展示されているのは、バリ人の画家でもっとも有名なグスティ・ニョマン・レンパッドの作品。

レンパッドの作品はラーマヤナやバリ島の民話などをテーマに描かれた作品ばかりです。

バロンダンスにも出てくる魔女のランダです。「戦士とランダの戦い」

レンパッドは1862年に生まれ、1978年に亡くなったそうです。

ネカ美術館の6つのパビリオンの中心に休憩所があります。

休憩所にはガネーシャの銅像と大きな木彫りのお面が2対飾られていました。

第5パビリオンは現代インドネシア絵画の展示です。

仮面をつけた踊り子を描いたカラフルな作品。インドネシア、ジャワ島出身の画家アントンの作品です。

ジャワ島出身の画家、アブドゥル・アジズの作品。

アブドゥル・アジズの有名な作品「引かれあう心」。バリ島の絵画を紹介する際によく出てくるので、どこかで見かけた人も多いと思います。1対の絵画に見えますが、元々は別々の作品として描かれたものだそうです。

こちらもアブドゥル・アジズの作品。絵から飛び出してくるように見えます。この人の作品は、構図が面白く細部まで丁寧に描かれて素晴らしいものばかりでした。

第6パビリオンは、東西絵画の出会い。1階にはインドネシア人画家の作品、2階にはバリ島にゆかりのある外国人画家の作品が展示されています。

バリ島をテーマに多くの作品を残したオランダ人画家、ルドルフ・ボネの作品。

インドネシア人女性をモデルにしたホフカーの作品。

第6パビリオンの一部にのみロープが張られ近寄れないようになっていましたが、それ以外は何の制限もないので、絵画に近づいてじっくり見ることができます。

作品も非常に多く、館内の雰囲気もよく、ウブドにきたら外せない場所だと思います。のんびりしているバリ島の中でも、ウブド地区はかなりゆっくりと時間が流れていますので、美術館もじっくり見学してください。

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